つれづれ

コスメ大好き社会人(23)のつれづれにっき

3月の本棚

 

こんにちは、麗子です。

 

本、とても好きなんです。

本日は3月に読んだ中で特によかったものについて記述していきます。

 

 

1.近江商人の哲学「たねや」に学ぶ商いの基本/著:山本昌仁さん 

 

 

三方良しという言葉をご存じでしょうか。私が勤めている会社でも似たような言葉がありまして、その起源は近江商人なんだよと上司に教えてもらいました。せっかくなら読んでみようかなということで購入。こういう部分では素直に上司の言うことを聞けるんです。

ふゆのとらや、なつのたねやという言葉があるそうです。和菓子屋さん、夏はどうしても暇になってしまうそうですが、その隙間産業を狙って水ようかんを売り出したらヒットしたことで有名になったお店です。

扱う商品は和菓子ですが、あくまで店主さんのやりたいことは街を良くすることであって儲けるためではない、という売上度外視な戦略が従業員のみならず、消費者の方にも伝わっているんだと感じました。とにかくお客様のことを考えるということだけを追い求めているからこそ生まれるものがあるんですね。

私は一会社員ですが、昨年まで同じ営業所で働いていた上司からは「自分が社長だと思って働いてみろ」とよく言われていました。ついこの前までへらへらした学生だった私に何てこというんだ・・・と内心思っていましたが、おかげさまで当事者意識を持つ姿勢は徐々に生まれました。自分事に捉えるのって一番難しいですよね。この前も自分事に出来なかったがゆえにミスしましたし・・・反省してがんばります。

たねやさんの商品は食べたことがないので、この状況が終わった時には日本橋のお店に行ってみようと思います。楽しみ。

 

2.胎児のはなし/著:増崎英明さん・最相葉月さん

 

胎児のはなし

胎児のはなし

 

 

私の読書のテーマの中に「生物」があります。大きくとらえて生物なので、食物連鎖の本であったり、体内のことであったり、性に関してであったり、転じてAIなんかも興味があります。自分ってなんなんだろうという漠然とした疑問が幼少期からあったので余計に気になるのかもしれません。(ちなみに、何を根拠にしているのか不明ですが、幼稚園児の頃は自分の前世がパンダだと思っていました。今パンダを見ても何も思わないので、多分違いますね)

そんな中で特に神秘的だなと思うのが赤ん坊です。すごいですよね、人間から人間が生まれるのって。高校生まで子どもが苦手でしたが、受験という大きなプレッシャーから解放された途端に好きになりました。それからというもの電車、街中で見かける赤ちゃんはあがめるようにあったかい視線を投げかけるほど。(傷つけてしまいそうで怖くて触れられない)

本書では産婦人科医の先生が、胎児が認識されるまでの歴史や実際の妊婦さんの体のつくり、出産に関する疑問(帝王切開、水中出産等)を会話形式でお話してくれています。とても分かりやすい。

その中でも私が特にえぇ!?と思ったのは、男性のDNAが胎児を通して女性の体内に入るということです。・・・驚きませんか?やばくないですか。年を重ねた夫婦がだんだんと顔が似てくるとよく言われますが、長く一緒にいるから似るんじゃなくて、DNAが入り込んでいるから似てくるんですよ。女性がだんだん男性に寄ってくるという。夫婦はあかの他人という言葉は間違っているのかも・・・

胎児を取り巻く環境についてはまだまだ明かされていないことが多いようです。たとえば、お母さんの体はなぜ胎児を拒絶しないのか、などなど。自分はまだ結婚も遠い未来の話ではあると思いますが、本当に興味深いです。昨年の冬に彼氏様のお姉さんの赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。人生初赤ちゃん。手はこんなにちっちゃいのに生きてるのすげーーーーーと元気をもらっちゃいました。ありがとうございます。

一番おすすめしたい点としては、産婦人科医の増崎先生が、赤ちゃんのこと本当に大好きなんですよ。読んでいてこちらも暖かくなります。男性にも読んでほしい。

 

3.教養としての落語/著:立川談慶さん

 

ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

  • 作者:立川談慶
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

昭和元禄落語心中」履修者の私はたまたまふらっと立ち寄った本屋で流れるように購入しました。昭和元禄落語心中もいいよ、漫画も好きだし、ドラマの岡田将生さん、山崎育三郎さん、成海璃子さんが本当に素敵だった・・・

 

 

 さて、本書はビジネスエリートがなぜか身につけているという題が付いていますが、ビジネス書というよりは、落語の歴史や噺家のレジェンドたちを分かりやすく解説してくれている本です。やはり落語家の方は文章が綺麗で簡潔に書かれていて読みやすい。それだけで感動しちゃう。古典落語新作落語、枕で落語の上手さが分かる、噺の構造および登場人物など、サクッと読めるのに頭に入ってくるのよ。

そしてね、この本を読み終えると「うわ~~~~~~寄席いきてぇえ~~~~~」ってなります。それは残念ながら今は叶いませんが、最近は恵まれていますね、YOUTUBEがあります。

 


【芝浜】 立川談志(平成13年版)

 

私は芝浜という演目が一番好きです。この間開通した高輪ゲートウェイ駅の名前の候補にも芝浜が挙げられていました。

働きに出ず、酒ばかり飲んでいる男が、ある日芝浜に出かかると小判を見つけます。これでもう働かなくていいと喜びながら妻に報告しまた酒三昧。翌日起きるとまた妻から働きにいってくださいと言われ、小判があるじゃないかと訴えると「そんなものありませんよ」と。男は「なんだ夢だったのか」と仕方なく真面目に働きだします。酒も断ち、数年たって事業もなんとか軌道に乗り出します。その後なんと妻から「実はあのときの小判、夢じゃなかったんです。ただ、あのままいくとあんたがダメになっちまいそうで・・・でももうあんたも頑張っているし、酒も飲んでいいんだよ」と衝撃の事実を告げられます。一瞬怒りが沸くも、全て自分が心配させてしまったからだと反省します。そして酒を飲もうとして、直前で踏みとどまります。「また夢になっちまうといけねぇ」と。

以上が芝浜のあらすじです。噺家によって男の情けなさ、妻の健気さが違うんです。談志さんの妻はキュートです。可愛い。興味を持たれた方はぜひ聞いてみてください。

総じて落語の良さは「ダメな人間の本性すらも肯定する」という部分です。優しい。心の広い、素敵な日本文化です。

 

以上になります。本当は5冊くらい紹介したかったけど、1冊への愛が強いので3冊が限界です。また今度つらつら書けたらいいな~。それではここらで。

 

麗子